医院名 |
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医療法人社団 青野整形外科 |
院長 |
青野 健三 |
住所 |
〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀11-19 |
診療科目 |
整形外科 |
電話番号 |
082-224-0002 お電話にてお問い合わせください。 |
変形性膝関節症は、その名のとおり「ひざの関節が変形する病気」です。ひざの軟骨がすり減り、やがては骨の変形もまねいた状態が変形性膝関節症です。
その原因はさまざまですが、その中でもっとも大きなものは「加齢」です。
40~50歳代ころからひざのこわばりや軽い痛みを感じるようになり、60歳代ころには、歩きはじめや階段を下りる際に痛みが出現、正座ができにくくなります。さらに進行すると、慢性的な痛みやひざの骨の変形も起こるというのが、変形性膝関節症進行の典型的なパターンです。
しかし、年齢のせいだからとあきらめる必要はありません。適切な治療をすることにより、症状を改善することができるのです。
自分の足で行きたいところに行き、いきいきと元気で暮らすために、「ひざの痛み」にさよならしましょう。
変形性膝関節症は、男性よりも女性に多い病気です。男女比は、1:4といわれています。
女性に多い理由として、筋力が弱く関節にかかる異常な負担が大きい、O脚が多いなどが考えられます。
変形性膝関節症かどうかは、ひざのX線検査を行えばわかりますが、X線検査で変形性膝関節症が認められたとしても、かならずしも症状が出るとは限りません。症状の出かたに個人差があるのも、変形性膝関節症の特徴のひとつです。
とはいえ、患者さんの数は60歳代から急増、年代を追って増えていき、80歳代では男女とも大半の人が変形性膝関節症のX線像を示すようになります。
変形性膝関節症によるひざの痛みをやわらげるには、ひざの負担を軽くすることが大切です。
ふだんの生活の仕方を工夫して、ひざの負担を軽くすると、ヒアルロン酸注射による治療効果を助けることもできます。
ひざの痛みとの上手なつきあい方をご紹介しましょう。
ひざの周辺の筋肉が鍛えられると、関節を支える力が強くなり、ひざにかかる負担の偏りがなくなります。
「両方の足の指でタオルをひっぱる体操」は、ひざの外側の筋肉、骨盤を支えるおしりの筋肉(中殿筋(ちゅうでんきん)、大殿筋(だいでんきん))を鍛えると同時に、バランス能力も向上させます。
1.細く折ったタオルを用意します。薄手のものの方がよいでしょう。
2.椅子に腰かけ、タオルの両端を左右の足の第1指と第2指にはさみます。
3.タオルを左右に強く引っ張り、5秒保ちます。
10回を朝晩2回行いましょう。
【ワンポイントアドバイス】
椅子の座面を両手でしっかりつかむと、安全に行え、力が入りやすくなります。
バランス能力が低下すると、ふらつきやすくなったり、転びやすくなったりします。バランス能力を向上させることで、ひざの負担が軽くなり、痛みがやわらぎます。
「足でタオルをつかむ体操」は、足の裏の筋肉などを鍛え、体のバランス能力を向上させる効果があります。
1.椅子に腰かけ、タオルを広げて足元に置きます。
2.タオルの手前端に片足を乗せます。
3.かかとを床につけたまま、タオルを足の指でたぐり寄せ、タオルにしわを寄せていきます。
左右10回ずつ朝晩2回行いましょう。
【ワンポイントアドバイス】
片足で行うのがむずかしい人は、両足で練習してみましょう。できるようになったら、片足で行います。
片足で楽にできるようになったら、タオルの向こう側の端に本など重りを置いて行うとさらに筋力が鍛えられます。
ひざに痛みがある人では、ひざの周辺の筋肉や、ひざの曲げ伸ばしに必要な筋肉が、縮んで細くなっている(萎縮している)ことがあります。
「ゴムバンドを使った運動」は、ひざの周辺や曲げ伸ばしに必要な筋肉を鍛え、ひざの柔軟性を回復させる効果があります。
1.ゴムバンドを輪にして結びます。(ゴムバンドの種類や輪の大きさで、筋肉にかかる負担が異なりまするので、担当医に相談しましょう。スポーツ用品店でも、アドバイスを得られるでしょう)椅子に深く腰かけ、ゴムバンドを片方の足の第二指から第五指にかけます。
2.ゴムバンドを足首のうしろに回し、もう片方の足の指に、同じようにかけます。
3.椅子の座面をしっかりつかみ、片方の足を前に、もう片方の足を後ろに、同時に引っ張ります。左右交互に、前後に引っ張ります。速くしたり遅くしたり、動かすスピードを変えながら行うと効果的です。
往復で1回として50回、朝晩2回行いましょう。
【ワンポイントアドバイス】
前に引っ張った側はひざを伸ばす筋肉、後ろに引っ張った側はひざを曲げる筋肉が鍛えられます。ゴムバンドの強さや輪の大きさを調節して、徐々に負荷をかけていきましょう。